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個人事業主の法人化ベストタイミング
「年収800万」は半分ウソ
家族構成で±200万動く分岐点

最終更新: 2026-04-19 / 運営: サクッと運営

個人事業主として順調に稼げてくると必ず出てくるのが「そろそろ法人化したほうがいい?」という話題。でも調べ始めると「年収800万が目安」「社会保険で逆に損」「2年免税でお得」…と情報が混在し、結局、動くべきか判断できない— これが実情では?

法人化の損益分岐点は家族構成・申告方法・社会保険の切替±200万円動きます。同じ年収800万円でも、単身30歳と子持ち45歳で結論が真逆になることも。以下、令和8年度(2026年)の最新税率・社会保険料率で、専門用語を義務教育レベルに翻訳して解説します。

💡 「年収800万円が目安」は半分ウソ

「800万が目安」の由来はシンプル。所得税は段階的に上がるのに対し、法人税はほぼ一定だから、ある所得を境に法人の方が税率で安くなる「逆転」が起きます。

📈 個人の所得税(累進)

5% → 10% → 20% → 23%33% → 40% → 45%

所得695万で23%、900万超で33% と階段状に上がる

🏢 法人税(ほぼ一定)

15%(所得800万以下) / 23.2%(800万超)

所得が増えても税率はほぼ変わらない

→ 所得800〜900万を超えると法人の方が税率で安くなるので「800万が目安」と言われます。

ただし、この単純計算は大事な3要素を無視しています。

配偶者・扶養控除

分岐点+数十〜100万

配偶者38万+扶養1人38万(大学生の子は63万)を課税所得から引ける。家族が多いほど個人のまま税負担を抑えられる。

青色申告65万円控除

分岐点+約65万

個人事業主限定の制度。法人化すると使えなくなる。今65万控除を受けている人は分岐点が上にズレる。

社会保険の会社負担

年+93万 追加負担

役員報酬50万/月で年約172万円(40〜64歳は約182万)。個人の国保+国民年金単身・所得600万で約79万)との差は年約93万円。

この記事の立場

「法人化は所得 X 万円から得」という単純な答えは存在しません。あなたの家族構成・申告方法・年齢で答えが変わります。次のセクションから、税金以外の判断軸まで含めて整理していきます。

🎯 法人化を決める6つの判断軸

「税金」だけで判断すると失敗します。法人化は3つの軸で有利3つの軸で不利という trade-off。6軸の合計で考えるのが正解です。赤タグが「ここでつまずく人が一番多い」最重要ポイント。

🟢 法人が有利な3軸

💰

節税分岐点

所得1,000万超で顕著に有利

稼ぐほど個人の税率は上がる。会社の税率はほぼ一定。

所得税は5〜45%の累進。法人税は15%(所得800万以下)/23.2%(800万超)でほぼ定率。ただし単身・青色なら所得900万付近まで社会保険増で相殺され、1,000万超で差がハッキリ出てくる。

🧾

消費税・インボイス

新設2年 免税

会社を新しく作ると、最初の2年は消費税ナシ。

新設法人は資本金1,000万円未満なら、設立から2事業年度は消費税が免除(インボイス未登録時)。売上1,000万超のタイミングで法人成りすれば消費税2年分を節税できる。

🏦

信用・融資

銀行融資・法人取引で有利

銀行がお金を貸しやすくなる。大企業との取引も有利。

決算書が公的な形式になるため、銀行融資の審査が通りやすい。上場企業の多くは「法人としか取引しない」ルールがあり、案件獲得の前提になることも。

🟡 個人が有利な3軸

🏥

社会保険最重要

年+93万 追加負担

健康保険と年金が「高い方」に強制切替。

個人は国保+国民年金。法人になると役員報酬に対して健保9.85%+厚年18.3%の社会保険が労使合計で発生。役員報酬50万/月で年約172万円、同所得の個人時代(約79万)との差は年約93万円。法人化で一番つまずく罠。

💴

設立・維持コスト

初期10〜25万 + 年7万〜

最初に10〜25万円、毎年7万円の固定費。

合同会社 約10万株式会社 約25万の設立費用。赤字でも法人住民税の均等割 最低7万/年税理士費用(年15〜40万)もほぼ必須。

📝

事務負担

税理士費 年15〜40万

書類仕事が倍増。役員報酬も自由に変えられない。

決算・法人税申告・消費税申告・社会保険の算定基礎届など、手続きが倍以上。「定期同額給与」ルールで役員報酬は期首3ヶ月以内にしか変更不可。

参考: 国税庁 No.2260(所得税の税率)↗ / 国税庁 No.5759(法人税の税率)↗ / 協会けんぽ 令和8年度保険料額表↗

🧮 所得600 / 900 / 1,200万円で数値検証

上の6軸のうち「税」と「社会保険」は数字に落ちます。令和8年度の税率・社会保険料率で単身・青色申告65万円控除を前提に、個人のまま続けるvs法人化して役員報酬をもらうの年間負担を比較した結果が下の表。

所得個人(税+ 国保+ 国民年金)法人(税+ 社会保険)差額
所得600万94万+ 保険 79
= 173
49万+ 社保 138
= 187
法人化で年14万円の損
所得900万192万+ 保険 110
= 302
93万+ 社保 207
= 300
ほぼ互角(年+2万)
所得1,200万304万+ 保険 131
= 435
170万+ 社保 242
= 412
法人化で年22万円の得

※ 概算値。役員報酬は所得の80% と仮定、残り20% を内部留保。家族構成・40歳以上・扶養人数で結果は大きく変わります。

👉 あなたの条件で試算してみる

上の3ケースはあくまで「単身・青色」の概算。配偶者の有無・扶養人数・40歳以上・青色申告の有無を入れると数字が大きく変わります。シミュレーターに実データを入れれば、自分の損益分岐点が一発でわかります。

※ シミュレーターはクリエイター向け6職種(動画/ライター/エンジニア/デザイナー/カメラマン/講師)に最適化されていますが、計算ロジックは全業種共通。飲食・物販など6職種以外の方は「その他」を選べば同じ判定ができます。

🗺️ 結局、私は法人化すべき? 3つの質問でチェック

ここまでの6軸と数値例を踏まえて、3つの質問に YES / NO で答えるだけで、今の自分に法人化が向いているか分かります。

あなたは今、法人化すべき? 3つの質問でチェックQ1. 所得は継続的に900万円以上?(単身なら1,000万目安/家族あり・青色は800万台〜)いいえ個人事業主を継続今は青色申告で節税を最大化はいQ2. 3年以上続ける見通し?(法人は「戻す」のが非常に煩雑)いいえはいQ3. 社会保険負担(年+93万)OK?(家族構成はシミュで個別試算)法人化を具体検討 ✅シミュで損益分岐点を個別確認

所得 900 万未満だと節税額が固定費(均等割 7 万+税理士費 15〜40 万)を下回り、年 30〜80 万の持ち出しリスクもあります。

🗣️ この記事とシミュレーターを作った理由

私も個人事業主3年目年収1,000万を超えたとき、「法人化を」と勧められました。
でも紙と電卓で計算してみると、社会保険が個人時代の2.5倍に膨らみ、
手取りでは大して変わらないという結論に。
節税メリット15選」のような煽り記事は多いのに、社保・均等割まで含めた総合比較がどこにもない。
だったら自分で作ろう、と開発したのがこのシミュレーターです。

🛠️ 関連ツール

本記事の内容を実務に落とすためのサクッとツール3つ。

免責事項: この記事は一般的な情報をまとめたもので、個別のケースの税金・法人化判断を保証するものではありません。 実際の判断にあたっては、最新の国税庁・協会けんぽ・年金機構の情報を確認したり、必要に応じて税理士さんに相談してください。 記事中の数値・税率・保険料率は、令和8年度(2026年)の法令・料率にもとづいています(最終更新2026-04-03)。

関連記事: 青色申告 vs 白色申告|どちらを選ぶべきか / 個人事業主の経費、基礎の基礎

各ツールは一般的な情報提供を目的としており、個別の法的助言ではありません。

最終的な判断は管轄の行政機関または専門家(税理士等)にご確認ください。

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